「革新的な医療機器展」イスラエル視察 Vol.1 概要とトレンド

~まず、はじめに~

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3月初旬にイスラエルのテルアビブで開催された国際医療機器展 「MEDinISRAEL2017」に、CDIメディカル熊谷・杉本の2名が現地視察してまいりました。「MEDinISRAEL2017」とは、イスラエルの医療機器メーカーが一堂に会する、2年に一度開催される医療機器展です。

イスラエルの人口はわずか800万人強であるものの、技術開発能力の高さは世界的に注目されており、近年、特に医療分野での発展が目覚ましい国です。例えば、カプセル型の内視鏡検査の発明や既に実用化されている多くの遠隔治療器はイスラエル企業が開発したものです。また世界のメガヘルスケアメーカー(GEやジョンソン&ジョンソンなど)が、イスラエルにR&Dの拠点を構えて、現地のスタートアップ企業と最先端技術を共有するなど、イスラエルは「医療機器大国」として評価されており、今後も革新的な医療機器の発明が期待されています。

今回、我々はイスラエルの革新的な医療機器展を通して、「最新医療機器市場の動向把握」と「イスラエル企業とのネットワークの関係維持および新規開拓」を目的に参加してまいりました。今後、ここで得た知識とネットワークを生かして、多くの革新的な医療機器を国内に紹介していきたいと考えています。この場をお借りして、イスラエル大使館、およびその他の関係者の方々に、多大な御協力を頂戴しましたことを深く御礼申し上げます。

今回のコラムでは、「MEDinISRAEL2017」の魅力や革新的な医療機器の紹介、現地医療機関ツアーの内容について、3回にわたりお届けさせて頂きます。まず初めは、「MEDinISRAEL2017」の概要についてお伝え致しますので、どうぞお楽しみください。

ご参考:*MEDinISRAEL2017サイト(英語)

【熊谷匡弘 略歴】

関西外国語大学外国語学部卒、カリフォルニア大学サンディエゴ校エクステンションビジネスマネジメントプログラム修了、青山学院大学大学院国際マネジメント研究科修了(MBA:経営管理修士)。キスコ・ディーアイアール株式会社、サージカルダイナミクスジャパン株式会社、タイコヘルスケアジャパン株式会社(現:コヴィディエンジャパン株式会社)を経て、CDIメディカルに参画。現在、CDIメディカル副査。「医療機器メーカーの事業戦略立案支援」、「医療機器メーカーのマーケティング戦略策定」、「医療機器メーカーの新規事業戦略開発支援」、等のコンサルティングを幅広く手掛けている。

【杉本宗優 略歴】

慶應義塾大学総合政策学部卒、ワシントン大学オーリンビジネススクール修了(MBA:経営管理修士)。KPMGあずさ監査法人、ノバルティスファーマ株式会社を経て、CDIメディカルに参画。現在、CDIメディカル副査。「医療機関の組織再編戦略立案」「製薬メーカーの中期経営計画立案」「製薬メーカーの営業体制戦略立案」、等のコンサルティングを幅広く手掛けている。

 ~MEDinISRAEL2017概要~

「MEDinISRAEL」とは、イスラエル輸出国際協力機構がイスラエル経済省や保健省、外務省と協力して、イスラエルのテルアビブで2年に一度開催される医療機器展示会です。本展示会は、世界中から医療分野の最も明晰な頭脳が一堂に会し、今日の医療環境の効率化を実現するために、新しい手法、課題や機会を共有することを目的としています。今回で4回目の開催となった「MEDinISRAEL2017」は3/7(火)~8(水)で開催され、イスラエルを本拠地にしている医療機器や医療サービス、リハビリ福祉機器等の企業100社が、革新的な製品を展示していました。参加者は日本やアメリカ、ヨーロッパの先進国に留まらず、中国・インドなどのアジア諸国、ブラジル・アルゼンチンなどの南アメリカ、またエチオピアなどのアフリカ諸国などからも参加しており、イラスラルの医療機器の注目度の高さを鑑みることができました。また前日には、世界中の参加者を歓迎するために、レセプションパーティー(Gala Event)が開催されました。

①GalaEvent
レセプションパーティー

展示会場は展示ホールと講演ホールとは別に、イスラエル企業と実際に席についてビジネスミーティングを実施できる場所として、「B2Bエリア」が設けられておりました。一般的に、イスラエル人はアイディアが抜群であると同時に行動力がとても早いと言われております。B2Bエリアはイスラエルの展示会にとって、無くてはならない場所の様です。我々もB2Bエリアを利用して、日本参入に興味がある企業と有益な面談を行いました。イスラエル企業のビジネススピードを肌で感じることが出来たとともに、日本市場の注目度の高さを再認識しました。

展示場
展示場
③B2Bエリア
B2Bエリア

今回、「MEDinISRAEL2017」が開催されたイスラエルのテルアビブは、イスラエルの経済・文化の中心地で、アズリエリセンターなどの超高層ビルが立ち並ぶとともに、地中海岸部は高級ホテルが隣接されており、大変綺麗なリゾート地の一面も有しています。イスラエルにバカンスで訪れることも楽しいと思いますので、是非、旅行を検討してみてください。

~MEDinISREAL2017トレンド~

本展示会に参加している企業は独自の高い技術を用いて医療機器を開発して、医療の質を従来よりも格段に向上させることに高い意欲を持っています。例えば、今まで侵襲的に行っていた処置を非侵襲的に出来る製品の開発や感覚で行っていた処置や手術を独自のアルゴリズムを使って可視化できる医療機器が開発されています。このような革新的な製品に出会えることが、この展示会の醍醐味だと思います。またIT技術を用いて、「H2H」 (病院から在宅移動)に力を入れている企業も多く参加していました。ネット回線を用いて医師と健康相談をするだけではなく、日々の健康状態をチェックして医師や医療従事者と共有できる機器、また在宅で心電図の検査ができる機器など、数多くの遠隔治療機器が展示されており、参加者から高評価を得ていました。

~次号について~

初回のコラムでは、MEDinISRAEL2017の概要について説明させて頂きました。2回目のコラムでは、最先端の技術を生かしたユニークな製品について、詳しくお伝えしたいと思います。

(文責:熊谷)