【CDIメディカルEye 】“技術経営”をご存知ですか? 『日本のMOT 15年の現在地』

~まず、はじめに~

田中秀穂 縦1

 

皆さんは、MOT(Management of Technology)という言葉をお聞きになったことはありますか?

日本語では”技術経営”といい、「技術に立脚する事業を行う企業・組織が、持続的発展のために、技術が持つ可能性を見極めて事業に結びつけ、経済的価値を創出していくマネジメント」(経済産業省)のことですが、それを学ぶ専門職大学院の修士課程のこともMOTといいます。専門職大学院のMOTのコースは、「技術と経営の複眼的な視点から社会や企業・組織における様々な問題に対し,創㐀的な成果創出を目指して取組む力を有する技術経営人材の養成」を目指すことになっており、ごく平たくいえば、「技術」と「経営」の両方を勉強することになります。

私(伊藤)がいまCDIメディカルでコンサルタントをしています元のもとを辿っていきますと、2004年にいわゆるMOTのコースに入学したことが最初のきっかけであったりします。日本のMOTは2003年が元年といわれているそうですので、いずれにしてもかれこれ15年ということになります。改めてMOTについて調べてみると、『経営系大学院を取り巻く現状・課題について(文部科学省)』によれば、教育再生実行会議 第9次提言で「グローバルな競争環境の中で、今後も我が国の社会・経済の成長を維持できるよう、国、大学は、次代を牽引する人材を育成するため、特に専門職大学院における企業経営のリーダーやイノベーションを創出する人材等を育成する取組を強化する。」となっています。その一方で、現状は東京理科大や芝浦工大等、複数の大学で学生募集が停止になっていたりもします。

今回の【CDIメディカル Eye】は、私の恩師の1人であります現芝浦工大教授の田中秀穂先生に『日本のMOT 15年の現在地』についてお話を伺いました。

参考資料:経営系大学院を取り巻く現状・課題について(文部科学省)http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/085/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2018/01/29/1400609_04.pdf

 

【田中秀穂先生 略歴】

田中秀穂 教授(芝浦工業大学 システム理工学部 電子情報システム学科、理工学研究科 システム理工学専攻、地域環境システム専攻)

東京都立大学理学研究科修士課程修了。三菱化成工業(現三菱ケミカル)入社、バイオテクノロジーと創薬の研究業務、研究企画業務に従事。Harvard Medical School, Department of Physiologyにおいて癌遺伝子の研究に従事。大阪大学より博士(学術)。2003年 三菱化学退職後、京都大学 医学研究科知的財産経営学コース 助教授。2008年より芝浦工業大学大学院 工学マネジメント研究科 教授。同研究科長を経て、2019年より現職。複合領域産官学連携推進本部 知的財産管理活用部門 部門長。知的財産高等裁判所 専門委員。

【伊藤 愛 略歴】

伊藤愛(株式会社CDIメディカル コンサルタント)

大阪大学大学院薬学研究科修士課程修了(薬剤師)。京都大学大学院医学研究科修士課程修了

商社、独立系ベンチャーキャピタル、ヘルスケア・バイオベンチャー企業、経営コンサルティングファーム等を経て現職。ライフサイエンス・ヘルスケア分野を中心に、中期経営戦略等、新規事業戦略、海外展開、オープン・イノベーション戦略等、戦略立案から実行支援を含むコンサルティングを実施。

構成

(1)~日本のMOT元年から15年が経ちました~
(2)~大学院教育としてのMOTの難しさ~
(3)~現在の日本MOTコース~
(4)~MOTは人気がない? 選択肢があるということ~
(5)~これからの日本のMOT、リトライ出来る社会であること~
(6)~最後に~

(1)~日本のMOT元年から15年が経ちました~

伊藤:最初に、日本国内のMOTの活動実態や成果についてデータや統計情報はあるのでしょうか?

田中先生:まとまった統計情報というのはなかなかない。個別の話でいえば芝浦工大のMOTは15年やって卒業生としては約250名を数える。成果というのは難しいが、分かりやすい成果としては卒業生から一部上場企業の役員を4名輩出した(掲載要Check 飯田グループHD、横河電機、東洋製罐、ヤマハ)。上場企業以外にも社長等の経営層になった人がいる。

伊藤:MOTの”M”=マネジメント人材として活躍しておられる方がいらっしゃる。

田中先生:技術系のマネジメント人材として250名の中から4名。それに起業した人が3名、経営企画部門に進んだ人ということであればたくさんいる。大学は人材育成をするところなので、卒業生の活躍という意味では一定の成果があげられたのではないかと思う。海外だと他に卒業生の年収が統計情報としてあるけれど、日本はそういうデータはない。ただし、因果関係として成果があったといえるかは難しい面もある(笑)。

(2)~大学院教育としてのMOTの難しさ~

田中先生:役員になった卒業生の一人は、MOTで学んだこととして、「それまで自分の会社の財務諸表をみても全然わからなかったのが、MOTで管理会計の講義と演習をやったら、自分の会社の状況がパッと分かった。そしてそれを元にして経営をやったら大成功した。」と言っていた。他には、視野が広がりました、分析力が付きましたという人もいなくもない…ただ、管理会計と視野の2点が役員になった4名が言っていることなのだが、管理会計がもし本当に一番重要だとすると大学院の教育としてのMOTって何なのだろう?となってしまう。こうしたことが、社会人がMOTのコースに来るのではなく、会社の社員研修でやるのが主流になっている一つの大きな要因になっているのは確か。管理会計の講習に派遣して、異業種交流会に行かせれば済んでしまっている。

伊藤:MOTが大学院であることの意味につきまして。例えば私の場合は、講義や実習もさることながら、当時はまだあまり一般的ではなかった長期のインターンシップに行かせて貰えたことは非常に大きな影響がありました。一度社会人になった後の30歳前後でそういう経験をしたことがプラスと思いました。学部を卒業したばかりの学生、あるいは上記の芝浦工大の事例のような、より経営層に近い上の世代、とどのような時期にMOTにいるかで位置づけがかなり異なるようにも思います。MOTがどういう人達に何を学んで欲しいものか?という点ではどのようなものが適切だと思われますか?

田中先生:好ましさは人それぞれ。一口にMOTといっても色々ある。まずコースがフルタイムかパートタイムか、後は年齢層。新卒か、30歳くらいの中堅か、エグゼクティブか、これだけで6パターンある。これはそれぞれ全部違うのだと思うし、どれがMOTなのかという答えは見つかっていない。それがどれかによって効果も教えるべきことも変わってくるのだと思う。

今、インターンシップという話が出たが、芝浦工大のMOTも学部新卒生はたくさんいた。30 – 40名ほど学部新卒からの卒業生がいるが、彼らは全員4-5ヶ月インターンシップに行かせた。これはものすごく大きな成果で、彼らは就職率が100%だった。この15年間の就職率が低かった時期も含めて。それもトップ企業などのよいところに就職出来ている。日本のMOTコースのパターンとして、若手のフルタイムで、インターンシップを絡めたプロセスは成功したことの一つといえる。一方、社会人の場合は、普通はMOTに会社を辞めては来ないことが多いので、必然的にパートタイムとなる。

伊藤:そこは結構大きな違いがあると思います。海外のMBAに行く人の場合は、会社を辞めていくことこそ少ないものの、フルタイムで学ぶことがほとんどだと思いますが、事実上、国内の専門職大学院はMBAも含めてフルタイムの場合は少ないのではないでしょうか?

田中先生:早稲田大や慶応大はフルタイムで実施しており、そうしたプログラムには学生が集まっている。ただ、日本ではMOTはフルタイムのコースはない。学部新卒を中心に取っている東京農工大が例外的にフルタイムのコースだが、実験をやっているので通常のMOTといってよいかどうか…事実上はパートタイムのコースしかない。

フルタイムでやったら学べることは当然増えるはずだが、今はパートタイムでやれることに限定されている。そうなると管理会計とネットワークづくりぐらい、となってしまう。やはり本当に大学院としてやるのであれば、フルタイムでやるカリキュラムとフルタイムで出来る環境が必要だと思う。

伊藤:この辺りが現在の日本のMOTの課題、ということなのでしょうか?

田中先生:その背景としては転職市場の問題がある。転職市場の大きさが一番の問題で、これが大きくないとフルタイムは難しい。つまり、大学院を出たことを企業が資格として認めることがないと、会社を辞めてまでくる人はいない。

伊藤:企業が認める、という話が出ましたが、国内海外に限らずMBAやMOTを出たことの評価は、一般的に国内では海外と比較してあまり加味されない傾向にあるようにも思うのですが…やはり企業からみた評価というとまだまだ、となりますか?

田中先生:外資系と日本古来の会社では全然違う。外資系企業は資格というものに対して必ずペイがある。いつも大学の中でも言っているが、教員として大学院に行きなさい、行くといいことがあるよ、と常日頃言っているのだけれど、その大学の職員は修士号を持っていても給料が変わらない。自己矛盾しているのではないかと思う。本来、給料に跳ね返るくらいの資格となるためにもフルタイムでなければいけない。現状のMOTはパートタイムで会社に行きながらの通学で、会社からするとむしろ2年間仕事減らしてやって外で勉強させてやったのだからお金払え、ぐらいの感覚だと思う。

(3)~現在の日本MOTコース~

伊藤:日本のMOTコースの現状はどのようになっているのでしょうか?

田中先生:数が少ないので個別に言った方がはやいが、東工大は基本的には研究としてのMOTを志向している。社会人が多く、卒業後はコンサルティングファームに行く人などが多い。授業料も安く、ネームバリューあるので多くの人がずっと集まっている。東京農工大は学部新卒中心の大学院。新卒生が実験をしながらMOTもやる、といった形。就職もいいはず。ある意味ではフルタイムのMOTで成果が出ているといえる。後は、東京近辺だと日本工業大学。ここは逆転ホームランとまではいかないが急に人が集まっている。1年間の大学院で昔から中小企業の経営層をターゲットにしていて、ずっと定員割れで苦労をしていたが、一昨年新しく中小企業診断士コースというのを作った。このコースを取ると中小企業診断士の試験のいくつかが免除になる内容で、これをはじめたら定員の何倍もの人が集まるようになった。資格を取れる、ということのインパクトがそれ程大きかった。

中小企業診断士の方が修士(専門職)よりも受けがよい、バリューが高かった、ということだと思う。入学定員を確保しようと、先生方がアイデアを絞って考えた結果であって、それでたくさんの応募者が集まっているので、これはすごいことだと思う。ただMOTの役割と、中小企業診断士の資格を取る場所ということとの整合性をどうとっていくのか、今後の課題ではあろうと思う。

伊藤:『経営系大学院を取り巻く現状・課題について(文部科学省)』によれば、経営系大学院の在学者数や教員数といった数値は概ね横ばいのような傾向にあるようです。また、報告では今後より一層の充実強化が必要といった形でまとめられています。

田中先生:ビジネス・ブレークスルー大学大学院とグロービス経営大学院のMBAが伸ばしているだけで、全体としては日本のMOTは現状減っているという認識が正しい。やらなくてはならない、ということの一番大きなプレッシャーは、”学び直し”という話。人生100年の時代になって、50年間、70歳まで働く必要があるから、学び直しをしなければ成り立たない。だから専門職大学院が必要だ、というのが一番の背景になっている。最初に受けた高等教育の専門性だけではそこまで長くはやっていけない、というプレッシャーがあるはずだ。とはいえ減っているということは、まあMOTは人気がない、ということだと思う。来る人がいないのだから(笑)

(4)~MOTは人気がない? 選択肢があるということ~

伊藤:人気がないのは何故だと思いますか?私がMOTに入った2004年当時は、大学発ベンチャー1,000社計画といっていて、周りには起業したいという人がたくさんいました。その後、リーマンショックの際に世の中全体が落ち込んだ時期を経て、いま本当に実態として良いかはありますが、就職率だったりは確かに良くなっています。ふと気がつくとベンチャー企業の環境もまた盛り上がっているように感じますし、その資金調達なんかを見ていても、当時よりも規模が大きくなっていたりすると思います。こうした状況において、どうしてMOTは人気がないのでしょう?

田中先生:それはMOTが起業塾じゃないからだと思う。起業したいような人は2年もかけて勉強したいと思わないだろう。起業したいアイデアがあるけれどやり方が分からない、といった人はもっと手っ取り早い方法を選ぶだろうと思う。MOTだと効率が悪い。また、すぐに起業というほどでもないけれど、多少の関心があるというは、実は人はあまりいないのではないか。“学び直し”という言葉が間違っているような気もしているが、昔習ったことをもう一回、ということではなく、新しいことを一から学ばないといけないわけで、そこまでやること考える人というのは実際にはあまりいないのだと思う。

今でも希望退職を募集すると、すぐにたくさんの手があがる。ああいう人達がその後どこに行っているのか分からないけれど…毎年何千人といるはずで、本当はそういう人達がMOTに来たらいいと思うのだけれど、どうして来ないのかな…

伊藤:よく言う2:8の法則ではないですが、次にやりたいことや、転職出来る能力・意識のある人は一定程度いて、その人達は早期退職のメリットを享受して次に行く、ということだと思いますがそれは少数で、多くの人達はどちらかというと実質的には受け身で退職しているのではないでしょうか。であれば、そういう人はあまり学び直そうとは思わないような気がします。

田中先生:だからやっぱり転職市場の問題に戻るのかな。転職市場が一定程度あって、動けるということがないと皆MOTに来ないのかな…

伊藤:日本は、もう昔のようではないと言いながら、よい企業といわれている会社ほど何だかんだいって終身雇用のイメージが依然として根強いようにも思います。またそれが日本のよいところ、という見方もあるかとも思うのですが、やはり転職市場は大きく人材の流動性がある方がよいと思われますか?

田中先生:それは、選択肢があるかどうか、ということなのではないか。人間が一番幸せを感じることって何かというと、自分で決められる”自己決定権”が一番重要だと言われている。自分でこの会社に残ろう、ここでやっていこう、と思うのであればそれはすごく幸せだし、そうじゃなくて転職したいと思ったらそれが出来れば幸せ。どっちかしかなかったらそれは幸せじゃないと思わない?両方あるということが大事なのではないか。

伊藤:確かに、いたいと思ったらいられる、というのはいいことですよね。

田中先生:今は、いたいと思うより、しがみつく、よそにはいけない、という状況だと思う。いざるを得ないというのは幸せじゃないよね。

(5)~これからの日本のMOT、リトライ出来る社会であること~

伊藤:色々なことがありますが、どこからはじめるべきなのでしょうか?

田中先生:社会が変わる必要もあるけれど、個人の持つ危機感といったことも大事だと思う。両方が必要なはず。すぐに変われるのは個人の方だけれど。

例えば、いま学部生を対象に『先端技術とビジネス』という講義で先端ベンチャーの話をしている。「これからはベンチャー企業が大事。君たちもベンチャーに行くことがあるかもしれない。いま日本の若年層の失業率は5%だけれど、先進国はどこも最低10%、イタリアは30%だよ」というような流れから、「将来ベンチャーを作りたい人、行ってみたい人はいる?」と毎回聞いているが、手を上げる人は数人しかいない。70人いて今年はゼロだった。何故かと聞いていくと、「そもそも考えたことがない、失敗したらこわい」という回答が多い。

その時にさらにいつもクイズというか質問をする。今会社に勤めていて、先輩からベンチャーに誘われる。「7割成功するけど3割は失敗するかな、でも賭けてこないか?」と言われたらどうするか?という場合、これで行きたいという人は増えない。ただ、1回失敗したとして、もう一回同じ確率で失敗するベンチャーにトライする、となると2回続けて失敗する確率は9%、3回だと2.7%しか失敗しない、という話をしたら、「はあそうか」と思う学生が出てくる。ずっと失敗することってあるか、という話。失敗から学べば成功確率はもっと上がっていくはずであるし。

伊藤:これは面白い説明ですけどちょっとズルいですよね(笑)。7割成功するベンチャーってそんなにゴロゴロないですもんね。ただ大事なことはリトライ出来る社会であること、だと思います。転職市場もそうですが、一回大企業に入ったら転職してよりよい条件で働けると思えない人は一定程度いるのが今の日本の社会だと思います。こういう風に新しい挑戦によって一定の成功や自己実現出来ている人も増えていると思いますが、二極化しているように感じます。もっと一般的にそう思える世の中であって欲しいですね。そういう意味では10年前と比較して死ぬ気で飛び込む、といった感覚は少なくなっているのかなとも感じます。

一昔前は、ベンチャーを設立するといったら自分の財産を賭けて、といった話や、ほとんど手弁当で参加している、といった話もよく聞きましたが、こうしたことをやり過ぎてしまうと失敗した後にリトライすることが非常に難しくなると思います。今は景気もあってベンチャーの投資環境もよいようですけれど、全体としてのお金の回り方が大事なのかもしれませんね。

田中先生:まあベンチャーは波には乗らないとダメだよね。

(6)~最後に~

伊藤:ここまでお話を伺って来ましたが、最後のトピックスとして。(現在は芝浦工大も学生募集を停止していますが…)また新たにMOTのコースを立ち上げましょう、ということもあると思いますが?

田中先生:まず学部生の方では、MOTを教えるというよりは、MOTマインドを伝えるべきだと思っている。技術だけを勉強するのではダメで、それ以外にこういうことを考えないとビジネスにならない、製品にならない、ということを若い時に理解することが大事。学部生の内にその視点を持ってもらうことはすごく大事だと思っていま教えている。社会人…これがまあ課題だよね。今思うのは、優秀な人はいいのだけれど…MOTは優秀な人にする教育なのか?というと、そうでもないという気もする。

伊藤:海外の上位MBAは、優秀な人材をより優秀にするために特化してやっています、といったコンセプトがはっきりしていると思います。コンセプトがはっきりしている方がやれることも明確になると思います。今の日本の状況において、新たなMOTということだとどんなコンセプトがよいと思いますか?

田中先生:少なくとも言えることは”MOT”という言葉ではないのだと思う。やはり新たなコンセプトが必要だろうと思う。それが何かまではまだ分からない。昔の名前で出ています、ではやはり難しいだろう。海外ではMOT的なことはいわゆるイノベーション・マネジメントに含まれていて、それはMBAの中の一科目、一分野としてやっているのが殆ど。独立してイノベーション・マネジメントだけをやっている大学院はない。それ以外だとPSM(Professional Science Management )というアメリカの大学で学部新卒向けの大学院はある。だけどMOTに特化した社会人向けのお手本になるようなプログラムは世界にまだない。だから自分で作らなければならない。

伊藤:それでもそんな社会人向けのMOTは必要だと思います?

田中先生:科学、技術が今後も日本の生命線であることは間違いない。でもこれから絶対に仕事は減るし、競争は激しくなるのは間違いなくて、生き残れない人が出てくる。どちらかというとより一般的な技術者の人が新しくもう一つスキルを、やっぱり具体的に、こういうスキルにならお金を払ってもよいと思えるスキル、勝負出来るスキルを身につけさせる、ということなのだと思う。

伊藤:ではそのスキルが何なのか?が見つかったら新しいMOTを立ち上げる、ということですね(笑)。

文責:伊藤 愛

 

 

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伊藤愛(株式会社CDIメディカル コンサルタント)

大阪大学大学院薬学研究科修士課程修了(薬剤師)。京都大学大学院医学研究科修士課程修了

商社、独立系ベンチャーキャピタル、ヘルスケア・バイオベンチャー企業、経営コンサルティングファーム等を経て現職。ライフサイエンス・ヘルスケア分野を中心に、中期経営戦略等、新規事業戦略、海外展開、オープン・イノベーション戦略等、戦略立案から実行支援を含むコンサルティングを実施。